夜行(やこう)森見登美彦のファンタジー×青春×怪談小説|おすすめ

本(小説・実用書など)

こんにちは!

漫画ほどではないけれど、小説も月2~3冊は定期的に読んでいる、おでん正宗です。

皆さんは小説、次に何を読もうかなっていう時、どうやって選んでいますか?

おでんの場合は、ハズレが少なそうな本屋大賞の受賞作や、ノミネート作からまず選んで、

そこに興味を引く本がない時は、過去に読んで面白かった作家、

好きな作家の作品でまだ読んだことがないものを選んだりしています。

小説「夜行」は、おでんが好きな森見登美彦さんの作品で、

2017年の本屋大賞にもノミネートされた作品で、

イラストレーターのゆうこさんの装画も好みでしたので、

面白そうだなと思って読んでみた次第です。

この小説はファンタジーとホラー、怪談といった感じの話でした。

読み終わった後も、いくつかの謎は残ったままで、

良く言えば、読者の想像の余地を残しています。

おでんは、ダークホラーや怪談は割と好きな方なので楽しく読めましたが、

スカッと気持ちよく読了したい人には向かないかもしれません。

一応は明るい感じの終わり方なのですが、モヤッとした所を残して終わります。

とは言え、森見ワールドとでも言いましょうか、森見登美彦作品の独特の雰囲気は健在ですから、

次のような方には、おすすめできる小説だと思いました。

  • 想像の余地を残した終わり方の小説が嫌いではない人
  • ダークファンタジーや、ホラー・怪談といったジャンルが好きな人
  • 森見登美彦さんの作品が好きで、とにかく全部読みたい人
  • など

書籍情報

  • 題名:夜行(やこう)
  • 著者:森見登美彦
  • 出版:小学館
  • 初版:2016年10月30日
  • 装画:ゆうこ

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著者情報 森見 登美彦

略歴

1979年1月6日生まれ、奈良県の出身。

京大農学部卒で、2003年「太陽の塔」でデビュー。

同作は、第15回日本ファンタジーノベル大賞を受賞した。

2006年「夜は短し歩けよ乙女」で山本周五郎賞を受賞。

2010年「ペンギンハイウェイ」で日本SF大賞受賞など

森見 登美彦の代表作

  • 太陽の塔
  • 四畳半神話大系(アニメ化)
  • きつねのはなし
  • 夜は短し歩けよ乙女(アニメ映画化)
  • 走れメロス
  • 有頂天家族(アニメ化)
  • 有頂天家族 二代目の帰還(アニメ化)
  • ペンギンハイウェイ(アニメ映画化)
  • 聖なる怠け者の冒険
  • 夜行
  • 熱帯
  • 四畳半タイムマシンブルース

あらすじ

10年ぶりに「鞍馬の火祭」を見るために集まった、かつての英会話スクールの5人の仲間。

実は彼らには、もう一人10年前の「鞍馬の火祭」の日に失踪した長谷川と言う女性の仲間がいた。

10年ぶりにあった彼らは宿で話をしていたが、不思議な事に皆、

亡くなった銅版画家の岸田道生の連作作品「夜行」を見たことがあるという。

こうして、5人の登場人物の「夜行」に関わる不思議な体験談が語られ始めた。

小説「夜行」は五部構成になっていて、

5人の登場人物がそれぞれ不思議な体験を語るという形になっています。

  • 第一夜 尾道
  • 第二夜 奥飛騨
  • 第三夜 津軽
  • 第四夜 天竜峠
  • 最終夜 鞍馬

作品の魅力など

失踪した長谷川は、どこに行ったのか?

岸田道生の48の連作「夜行」は、どう関わってくるのか?

「夜行」と対になると言われる「曙光」という作品はどこにあるのか?

作中の印象的なセリフ「世界はつねに夜なのよ」「夜はどこにでも続いている」の意味は?

謎が沢山ありますが、読了後、答えが明らかになるものと謎のままのものとがあります。

「私はこの作品をこう読んだけど、あなたはどう考える?」なんて、

読書好き同士で議論するのが楽しそうです。

著者の森見登美彦さんの言葉として、

「夜行とは夜行列車の夜行であるかもしれず、百鬼夜行の夜行かもしれぬ」

とありました。

また、小学館の「夜行」のサイトが残っておりますのでリンクを貼っておきます。

読了後、サイトにある10の疑問に着目して読むと新たな解釈が見えてくるそうです。

怪談×青春×ファンタジー、かつてない物語。『夜行』森見登美彦 | 小学館
京都で学生時代を共に過ごした仲間の長谷川さんは、鞍馬の火祭りの中、突然姿を消した。あれから十年。残された僕ら五人は、再び祭りの日に再会する。森見登美彦がおくる怪談×青春×ファンタジー、かつてない物語『夜行』。彼女はまだ、あの夜の中にいる。

まとめ

森見登美彦さんのファンタジー×青春×怪談小説「夜行」について記事にしてみました。

おでんは、ホラーや怪談も好きなジャンルなので、面白く読めましたが、

読了後も、いくつかの謎は残ったままの小説なので、

謎が全部解けてスッキリ終わるのを期待している人には向かないかもしれません。

とはいえ森見ワールドというか、森見登美彦さん作品の独特の雰囲気は健在なので、

森見登美彦さんの作品が好きって人なら、読んでがっかりする事はないと思いますよ。

おでんはこの作品を読んで、

誰しもふとしたことで、夜の世界に迷い込んでしまうのかもしれない。

また、長い夜の果てにこそ、朝が来るのだと感じました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

では、また!

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