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王 欣太の「達人伝」が「キングダム」に比肩する面白さ!  「画一性と多様性の対立」や「老荘思想」に注目して読む。

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こんにちは!

みなさんは達人ってどんな人だと思いますか?

ある分野の能力はものすごいんだけど、ちょっと変わってて、

付き合うのは大変なイメージじゃないですか?

中国の春秋戦国時代、つまり戦乱の時代に、

あまたの達人(変人)たちを(しかも並みの変人ではありません)

有名な思想家「荘子」の孫の主人公がまとめ上げていく、

主人公の身になって考えると実に大変そうな、

でも漫画で読むととんでもなく面白い!

今日は、そんな漫画「達人伝」のご紹介をします。

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書籍情報

  • 作品名:達人伝(たつじんでん)
  • 作者 :王 欣太(きんぐ ごんた)
  • 掲載誌:漫画 アクション
  • 出版社:双葉社
  • 単行本:既刊 15巻(2016.12.25現在)

作者情報

王 欣太(きんぐ ごんた)ってどんな人?

王 欣太(きんぐ ごんた)氏は1962年生まれの日本の漫画家。

平成28年12月現在で54歳です。

氏は大学卒業後は商社の営業マンとして働いていたが、

わずか2年で会社が倒産し、その後はデザイナーの仕事をしていたそうです。

後に氏自身が会社が倒産していなければ漫画家にはなっていなかったと話しているそうです。

参考:wikipedia 2016.12.25

王 欣太(きんぐ ごんた)の代表作

蒼天航路(そうてんこうろ)

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原作・原案は李學仁。

三国志の曹操が主役の人気作で単行本は全36巻(極厚版全12巻)、

1994年から2005年にかけて講談社のモーニングで連載されていました。

2009年にはアニメ化もされています。

 

達人伝の見どころ

同じ中国の春秋戦国時代の漫画「キングダム」と比較しながら読むと面白い!

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ほぼ同時期の春秋戦国時代の漫画に「キングダム」というのがあります。

こちらも大変名作ですが、

「達人伝」の方がわずかに先になりますね。

登場人物も結構かぶってますから比較しながら読むと面白いです。

「キングダム」の主人公が孤児なのに対し、

「達人伝」の主人公は架空ですが、荘子の孫です。

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老子・荘子 が面白い!

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本作の主人公は架空の人物で荘子の孫ですが、

おっさん、老荘思想が大好きなんですよ。

例えば、

老子「唯と阿と 相去ることいくばくぞ」

意訳:「はい」と「あーい」という返事でどれほどの差があると言うんだ!やたらに礼儀作法にこだわると疲れちまうよ。真意さえ伝われば良いだろ!

「面倒くさいから、堅いことゆうなよ。意味が伝われば良いだろ!」

って、すごく良いでしょ!

 

荘子「三十輻一轂を共にす。某の無に当たりて、車の用あり。埴をこね、以て器を為る。某の無に当たりて器の用あり。戸を鑿ちて、以て室を為る。某の無に当たりて、室の用あり。故に有の以て利をなすは、無の以て用をなせばなり」

意訳:車輪は真ん中には穴が開いているから車輪として機能する、器の中は空っぽだから中身を入れることができる。壁をくり抜いて戸や窓を取り付けて部屋として機能する。無だからこそ機能するものがある。

「一見役に立ちそうにないあいつも、いないと困るんだぜ!」

ほんとそれ!

このことを分かっている人はすごく少ない。

多くの人は自分より劣った人を馬鹿にしたり、

存在価値を認めようとしない。

実はその人たちもちゃんと役に立ってるの。

能力主義やリバタリアンと呼ばれる人達はそのこと分かってないよね。

 

秦 vs 達人たちの対立が面白い

おっさんが思うに、

秦と達人たちの戦いは画一性多様性との戦いです。

秦は厳しい法の下で画一性を重んじ、

秦以外はゴミとばかりに虐殺を行います。

達人というのは専門家ですから、

特化した能力を持つ代わりに変人なわけですよ。

秦の作ろうとする画一的な世の中は、

達人(変人)たちには住みにくい世の中ですよね。

達人たちは基本的にはバラバラですから、

秦と戦うにはマネージャー的な役割をする人が必要ですよね。

それが、本作の主人公で老荘の思想だと思います。

秦と達人たちとの対立は、

当時主流だった法家の思想老子や荘子の思想(老荘の思想)との対立で、

それが、本作のドラマだと思います。

余談ですが、

おっさんは法家や儒家(孔子)を今風に言うと「意識高い系」とかって茶化しているのが老荘だと思うんですよね。

おっさん専門家とかじゃないし、もちろん異論は認めます。

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主人公達をメタ的な視点で見る楽しみ

ベースに老荘の思想があるからだと思うんですけど、

主人公達、作品世界自体をメタ的な視点で見る楽しみもありますよね。

秦も達人たちも、

人間て小賢しいなぁって思いながら見る。

老子って自分が有名になるのが嫌で嫌で隠遁しちゃうし、

自分の教えを書物に残すことも嫌がったんですよね。

別に老荘思想を知らないと達人伝が楽しめないわけじゃないんだけど、

知っておくと面白味が増すかなっていうポイントを2つ書きます。

無為自然(むいしぜん)

老荘には無為自然という考え方があります。

人も宇宙の一部、

身も心も自然な状態でいれば、

宇宙と一体となって生きることができる。

混沌、七竅に死す(こんとん、しちきゅうにしす)

作中にも出てくる寓話なんですけど、

南海の帝「儵(しゅく)」と北海の帝「忽(こつ)」がいて、中央の帝は「混沌(こんとん)」といった。

「儵(しゅく)」と「忽(こつ)」はともに束の間の意味で人間の短い生を象徴しており、

「混沌(こんとん)」は万物が形を成さずにさまよっている様と考えてください。

「儵(しゅく)」と「忽(こつ)」は混沌の支配する中央で面会し、「混沌(こんとん)」はこれを歓迎した。

「儵(しゅく)」と「忽(こつ)」は「混沌(こんとん)」の恩に報いようと、

「混沌(こんとん)」が視聴食息の楽しみを得られるようにと、

善意から人間と同じように7つの穴をあけようと計画する。

二人は1日に1つずつ穴を穿ち、

七日目に「混沌(こんとん)」は死んでしまった

という話なんです。

要約すると「人間が良かれと思ってやったことが自然本来のあり方を破壊して何でもないものにしてしまうことがある。」ということです。

今まで老荘に触れたことのない人は、

この2つのことを抑えて読むとより楽しめるんじゃないかなぁって思います。

・・・

きっと老子、荘子に言わすとこの記事が作為的で嫌!って言われちゃうんです。

老荘を語るときは、どうしてもこのジレンマが付き纏いますね(汗)

まぁ、自分の教えを書物に残すのを嫌がった老子も、

最後の最後で関所の役人に頼まれて「老子道徳教」という書物を書いてしまうんです。

本人もこのジレンマからは逃れられなかったわけですよ。

漫画はエンタメですから、

あんまりアカデミックになりすぎても楽しめなくなっちゃいます。

ツッコミは自分が楽しめる範囲で入れつつ読みましょう。

 

まとめ

王 欣太「達人伝(たつじんでん)」の記事でした。

おっさん、この作品のテーマは

「老荘思想」「多様性の肯定」「無用の用」なんじゃないかなぁって思うんです。

これらを魅力的なキャラクターが物語に織りなしていく。

中国の春秋戦国時代は楚漢戦争時代や三国誌の時代よりドラマチックに思いますが、

まだこの時代を取り扱った漫画や小説って少ないですよね。

これから、どんどん面白い漫画や小説、映画が作られると良いなって期待しています。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

では、また!

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